南山大学の学生からインタビューを受けました|ARCH plusがフィリピン人材に特化する理由
このたび、南山大学の学生の皆さまから、ARCH plus株式会社 代表取締役の瀬戸陽子がインタビューを受けました。
ARCH plusは、フィリピン人材の採用支援、日本語教育、来日後の生活・就労・定着支援を一貫して行っています。
今回のインタビューでは、ARCH plusを創業した背景、フィリピン人材に特化している理由、私たちが大切にしている「プラス=成長」という考え方、そして学生の皆さまへのメッセージについてお話ししました。
インタビューの様子は、こちらの動画からご覧いただけます。
以下では、南山大学の学生の皆さまにまとめていただいたインタビュー記事をご紹介します。

ARCH plus株式会社 代表取締役 瀬戸 陽子
目次
1. フィリピン×幼少期。ゴミ山の記憶と、ドイツ人の一言
インタビュアー
本日はお時間をいただきありがとうございます。
まず、簡単に会社のことから教えていただけますか?
瀬戸
アーチプラス株式会社代表取締役の瀬戸陽子です。
会社はフィリピンに特化した人材サービスを行っていまして、採用から定着、日本語教育までを一貫してトータルサポートしています。
インタビュアー
フィリピンに特化されている理由として、どのような背景があったりするのですか?
瀬戸
幼少期から父の仕事の都合でフィリピンによく行っていて、ゴミ山やスラム街を目にする機会がありました。ずっと「途上国の支援がしたい」と思っていたんです。
転機になったのは高校時代のオーストラリア留学でした。ドイツ人の友人に「途上国支援って何を考えてるの?」と聞かれて、「食料支援だ」と答えたら、「それじゃ絶対に解決しない。一番必要な支援は教育なんだよ」と言われたんです。当時まだ高校1年生の彼女にそう言われて、衝撃を受けました。
教育がないから貧困が続く。といった、本質的で中長期的な考え方を教えてもらったことが、ずっと胸に残っていました。
2. 50カ国を巡って確信したこと
インタビュアー
先ほど高校時代の留学のお話がありましたが、大学時代はどのように過ごされたんですか?
瀬戸
大学時代にバックパッカーとして約50カ国を回りました。
特に印象に残っているのはキルギスタンで、現地の方に「日本のODAのおかげで、僕たちの今の生活がある」と言われたんです。
日本のODAはお金を出すだけじゃなく、技術を持ってきて現地で雇用をしてくれる。お金だけだと橋しか残らないけれど、日本は技指導もしてくれるから、雇用も技術も残る、と。
あのドイツ人の友人が言っていた「教育が必要なんだ」という言葉と重なって、やっぱり人に必要なのは教育なんだと再確認できた瞬間でした。



インタビュアー
その経験が、起業につながっていくんですか?
瀬戸
はい。ちょうど父がフィリピンに学校を作ったこともあって、幼少期からの縁と教育への思いが重なりました。フィリピンの方々の人生のプラスになるような教育や出会いを提供したいと思って、この会社を立ち上げました。社名の「ARCH plus」には、架け橋となって双方にプラスをもたらしたいという思いを込めています。
ただ繋いで終わりではなく、繋いだ先にある人たちの人生の糧になるようなことを提供したいという想いが込められているんです。
インタビュアー
ちなみに瀬戸さんにとっての「プラス」って、具体的にはどういうことですか?
瀬戸
一言で言うと、成長です。お金や食べ物を一時的に与えることではなくて、出会いを通じて彼らの人生も企業の未来も共に成長していくこと。
物心ともに豊かな人生になっていくことが「プラス」だと思っています。

3. 「フィリピン1本」という覚悟
インタビュアー
これまでの経営の中で、一番大きな決断は何でしたか?
瀬戸
周りからいろんな国に対応した方がいいとアドバイスされる中で、フィリピン1本に絞ると決めたことです。
インタビュアー
ということは反対の声もあったんですか?
瀬戸
たくさんありました。フィリピンは手続きが複雑で法律も厳しく、お客様への提供価格が高くなりがちで、私たちのような会社にとって利益率が低くなると言われている国なんです。同業の先輩からも「フィリピン1本では経営的に厳しいよ」とアドバイスをいただきましたし、既存のお客様にも「他の国もやってよ」と言われたり、「インドがこれから来るよ」と誘惑もたくさんありました。
インタビュアー
それでもフィリピンに絞ったのは、どうしてだったんですか?
瀬戸
まず、いろんな国を回った中で、やっぱりフィリピンという国が好きだと思ったこと。そして、フィリピンの人と日本の企業が国民性と企業の風土が合うと確信したことが大きいですね。
あとは、実は海外から日本に働きに来る方の中には、仲介の段階で多額の借金を背負って来日するケースが少なくないんです。フィリピンはそうした費用負担が法律で規制されているので、借金なく来日できる。だから日本で働くフィリピンの方は笑顔が多いし、来てよかったと思ってくれる人が多い。せっかく事業をするなら、そういう出会いをつくりたかったんです。
それに、入国後に本当に役に立つ支援をしようと思ったら、その国の文化や価値観を深く知らなければいけない。いろんな国に手を広げるより、フィリピンに特化して深い支援ができる方が、結果的にお客様にとってもフィリピンの方にとってもプラスを最大化できると考えたからです。
4. 口コミだけで広がった理由
インタビュアー
先ほどフィリピン1本に絞るという決断のお話がありましたが、実際そこからの道のりは順調だったんですか?
瀬戸
全然です。まず企業の開拓がすごく大変でした。
「なんで高いの?」「入国まで時間がかかるのに、なんでわざわざフィリピンを選ぶの?」と言われて、国民性や法律の正しさを説明しても、なかなかフィリピンを選んでくださる企業さんは多くなくて。
インタビュアー
それは気持ち的にも負荷が大きそうですね…
瀬戸
私もそんなに強い人間じゃないので、社員に支えてもらったのが大きいです。 ARCH plusにはフィリピンのスタッフもいて、その方たちが繋いでくださって、フィリピンの送り出し機関や行政の方に会う機会がありました。フィリピンの方々から「フィリピンの魅力をわかってくれてありがとう」と言っていただいたことが自分の支えになりましたし、社員からも「これからもフィリピン1本でやろうね」と言ってもらえた。 それがモチベーションになって、この魅力をもっと伝えたいと思うようになりました。
インタビュアー
結果的に企業側にはどうやって広がっていったんですか?
瀬戸
正直、新規開拓の営業はうまくいかなくて、最初はもともとフィリピンの方を雇っている企業さんや、私の友人の会社から始めたんです。そこから広がったのは、完全に口コミでした。受け入れた企業様が「フィリピンの方を受け入れてみたけれど、すごく良かった」「ARCH plusが支援してくれるから、外国人の雇用ができる強い会社になった」と言ってくださって、それを聞いた他の企業様から問い合わせをいただくという流れです。
インタビュアー
営業ではなく口コミだけで広がっていったんですね。なぜそこまで評価されるんでしょうか。
瀬戸
スタッフのおかげだと思います。「架け橋となってプラスをもたらす」という理念に共感しているメンバーばかりで、良くも悪くも熱い人間の集まりなんです。
外国人に対してもすごく真剣に向き合いますし、企業さんに対しても真剣に向き合う。時には耳が痛いことも言わなきゃいけないんですけれど、私たちが共通で持っている判断軸は「彼らにとってプラスになるのか、成長につながることを言えているのか」なので。ただ甘やかすのではなく、その視点でアドバイスさせてもらっています。それが結果的にお互いの成長につながって、口コミが生まれたのかなと思います。

5.「プラス」の定義が変わった日
インタビュアー
理念に共感するメンバーが集まっているとのことですが、最初からみんなが同じ方向を向いていたんですか?
瀬戸
全員がそうではなかったと思います。
ただ、ホームページを見て面白い会社だと思ったとか、フィリピンに特化しているところに興味を持ったという方が集まる傾向にはありました。理念の浸透に関しては、コミュニケーションを仕組み化したことが大きかったです。四半期の振り返りで経営理念を復唱したり、理念をもとにした「ものの考え方」をまとめたルールブックを毎週の全体会議で読み合わせたり。
インタビュアー
その中で、組織がガラッと変わったなと感じた瞬間はありましたか?
瀬戸
ありました。「プラス」の定義が社内で曖昧だった時期があったんです。
例えば、フィリピンの方から「お腹が痛いから病院に行きたい」と連絡が入ったとき、社員が「わかった、車出してお迎えに行って病院に連れていくね」と対応していた。それは優しい支援ではあるんですけど、私が問いかけたのは「それって彼らにとってプラスになるの?」ということでした。
社員からは「支援してるじゃないですか」と言われたんですが、「彼らが日本で自立して生活できるようになることがプラスじゃないの?」と聞き直したんです。そこでみんながハッと気づいてくれて、「そうだよね、一人で病院に行けるようにならなきゃいけないんだ」と。
病院に行けるようなマニュアルを作ったり、電話でサポートする形に変えたり。「プラス=成長」という判断軸が組織に根づいた瞬間だったと思います。まさに【食料】ではなく【教育】が必要だと教えてもらった話に行きつきました。
6. フィリピンといえばARCH plusへ
インタビュアー
これから会社として実現していきたいことは何かあるんですか?
瀬戸
まずは「フィリピンといえばARCH plus」と言ってもらえる会社にすることですね。
インタビュアー
「フィリピンといえばARCH plus」というのは中継地点な気がしていて、その先にもっと大きなやりたいことがあったりするんですか?
瀬戸
中小企業って、やれることに限りがあるんです。いくら「この制度はこうあるべきだ」と声を上げても、小さな声はなかなか届かない。でも、フィリピンのことならこの会社に任せれば安心だという社会的な信用と信頼が得られたら、初めて制度や仕組みに対する提言ができるようになると思うんです。
現場が感じていることと国の制度のギャップを少しでも埋めていくことで、企業にとっても外国人の方にとっても、より人生のプラスになる環境を作っていけるんじゃないかと考えています。
7. 若者・学生へのメッセージー「がむしゃらに。」
インタビュアー
最後に、若者・学生へ一言メッセージをお願いします。
瀬戸
仕事って、自分の人生を豊かにしてくれるものだと感じてほしいです。私自身、若い頃は「人のために」「社会のために」なんて考えられませんでした。でもそれは当たり前なんだと思います。
一生懸命、がむしゃらに仕事をして、仲間やお客様を大切にする中で、自然と「誰かの役に立ちたい」と思えるようになった。その気持ちで仕事をすることが、結果的に自分の人生を一番豊かにしてくれているなと感じています。
だからまずは、目の前のことにがむしゃらになることをやってみてほしいなと思います。


学生との対話を通して
今回、地域の学生にARCH plusの歩みや考え方をお話しする中で、私たち自身も、これまで大切にしてきたものを改めて振り返る機会となりました。
南山大学の学生の皆さま、このたびはARCH plusに関心を持ち、丁寧にお話を聞いていただき、ありがとうございました。
ARCH plusはこれからも、企業とフィリピン人材の架け橋として、双方の成長につながる出会いと支援をつくり続けてまいります。
そして、「フィリピンといえばARCH plus」と言っていただける存在を目指して、一歩ずつ取り組んでまいります。

この記事へのコメントはありません。