わかりやすい日本語で話せていますか?
「日本語が通じない」
これは、外国人材が配属されたばかりの会社からよく聞く言葉です。
弊社で斡旋する外国人は200時間以上、介護ですと600時間以上勉強してから入国します。文法だけではなく会話や、実技演習を兼ねた日本語でのやり取りも含みます。
出国する前には、日本語の会話テストも行い、合格しなければフライトできません。
それではなぜ、このような問題が発生するのでしょうか。
目次
「日本語が通じない」原因は日本人にもある?!
もちろん、いくら600時間勉強したとはいえ、母国語ではありませんから、完璧に話すことはできませんし、日本で「生の日本語」は、勉強したものとは違いますので、外国人の力不足、慣れていないことなども原因にあります。
これは正直、勉強を継続してもらい、慣れてもらうしかありません。
それでは他に理由はないのでしょうか。
それは、日本人の話し方にあります。
「ほんま日本語通じんくて困ってるんや〜」
と言われることがあります。
「外国人にもそのように話されていますか?」
「せやで。もっとゆっくり話してるで」
と。
お気づきかもしれませんが、これでは外国人には通じません。
外国人が習う日本語は「標準語」であり、方言は勉強していません。
私も留学先のオーストラリアでこんな経験があります。
ホームステイ先の父:「マインストリートを進んで」
私:「マイン?あなたの道?」
そう、これはオーストラリアの訛りで、『a』を『アイ』と言いがちで、
「メイン」ストリートのことだったのです。
他にも「averrable(アベーラブル)」は「アバイラブル」だったり、習った英語と違いすぎて全然聞き取れませんでした。
ほんのちょっとイントネーションが違うだけでも、日本語を勉強したての彼らには難しいのです。
また、同様に難しい日本語を使いすぎていることもあります。
例えば「Keeper」
これは英語で「いい男(女)」という意味です。(恋愛対象の人のことを表します)
「good」「nice」「cool」だったらわかりますが、いきなり
He is a keeper
と言われても「???」となりますよね。
日本語も同じです。
「すごい!」であれば伝わりますが、
「最高‼」「驚異的!(言いませんね笑)」「お見事!」などは伝わりません。
小学生に話す言葉、をイメージするとわかりやすいのではないでしょうか。
外国人が難しいと思う日本語会話ランキング
「外国人が難しいと思う日本語会話ランキング」というデータがあります。
1位:敬語の使い分け
2位:文法(二重否定、主語がない、代名詞)
3位:擬音語、擬態語
4位:曖昧な表現(結構です、ご遠慮ください、できなくもない)
5位:流行語、造語、漢語
ここまでで、なんとなく外国人に伝わらない日本語がイメージできましたでしょうか。
次は、わかりやすい日本語にするためには、何に気をつければいいかを説明します。
わかりやすい日本語のコツ
標準語
これは言わずもがなですね。
外国人には標準語で話すようにしましょう。
とはいえ、介護施設などでは、利用者さまが方言を使われることもあります。
徐々に方言を交えていくと、外国人も方言を話すようになります。
(大阪弁を話す外国人を見かけますよね。)
早稲田式ハサミの法則
一番簡単に気をつけられることです。
文章を長くすると伝わりづらいので、
分けて、整理して、大胆に、はっきり、最後まで、短く言います。
例えば、「大阪に行くなら、新幹線と長距離バスと在来線があるけど、新幹線は高いから、夜行バスがおすすめ、でも在来線も景色が面白いよ。」
情報がごちゃごちゃ多くて、まず伝わらないでしょう。
「新幹線とバスと普通の電車があります。新幹線は値段が高いです。バスは安いです。普通の電車は、景色が良いです。」
文章を切るだけで、伝わるようになるでしょう。
1文中に情報は1つにすると覚えておくと便利です。
結論を先にもってくる
日本人はまわりくどい表現を好む傾向にあります。
伝えたいことを前に持ってくることが外国人にとって優しさです。
「もし、この荷物をここでおろしたら、誰かが足をひっかけて転んだら危ないからだめだよ」
「ここに荷物をいてはだめです。歩く人がぶつかって危ないです。」
など、一番伝えたいことを最初に持ってきましょう。
主語と述語を明確にする
日本人はよく主語を飛ばします。
翻訳機を使ってみるとわかりますが、主語を書かないとうまく翻訳されません。
これは、外国人にとっても、主語がないと混乱知てしまう要因なので、
主語と述語を意識しましょう。
オトマトペや難しい言葉を易しい言葉に置き換える
例えば、「相談窓口」は「相談するところ」であれば通じます。
こんな少しの工夫でいいのです。
また、オトマトペも伝わりません。
「頭がガンガンする」「お腹がキリキリする」
外国人はおトマトペがわかりませんので、「頭が痛い」「お腹が痛い」と伝えなければわかりません。
最後に
日本語は、外国人にとって難しい言語ランキング世界4位です。
外国人の日本語能力向上のためにも、最初は、やさしい日本語を意識的に使って頂きたいと思います。
また入国前に勉強する日本語は検定用、つまり読む、聞くに特化していることが多いです。
日本語になれるためには「書く」「話す」つまりアウトプットが重要になります。
「言葉が通じない」と諦めず、積極的にコミュニケーションを取ることで、加速度的に日本語が上達します。
これは仕事に限ったことではありません。
入社した外国人に人として興味を持つことがとても大事です。この仕事とは関係なさそうな部分が、信頼関係を築くにも、日本語能力を向上させるにも非常に重要な部分だと思います。
日本人は傾聴スキルを使って、外国人の話に本当に心から興味を持って聞いいてください。
そうすると、外国人も話したくなるし、相手に興味を持ってチームとして働こうとします。
私達が思っている以上に外国人(フィリピン人も)恥ずかしがり屋であることがあります。
言葉の壁がある中で、自分をアピールすることはとても難しいです。
その壁を乗り越えてもらうためにも、「あなたに興味がある」という姿勢を見せることが重要です。
※特に介護の場合は利用者さんと会話をするのに大事な能力です。
プレゼント
やさしい日本語の手引きをプレゼントします。
(サンプル)以下の言葉の「やさしい日本語」は何か?
出身⇛( ) 正解:国
和室⇛( )
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